『Citta BIZ』は健康経営の意思決定プラットフォーム。業種別のリアルな成功事例や稟議用データを完全無料で提供します。

掲載企業様 募集中

掲載ご検討の企業様へ はじめての担当者様へ
サービス業・小売業

「誰にも同じ経験をさせたくない」満身創痍の代表が辿り着いた健康経営

中嶋祐樹 様

株式会社WORLDs 
代表取締役
・近江牛焼肉百々一
・近江牛中る
・京都つゆしゃぶCHIRIRI草津店

一時は体調を大きく崩し、満身創痍だったという――株式会社WORLDs(滋賀県草津市)代表取締役・中嶋祐樹氏は、20代を全力で駆け抜けた代償を、今もどこかに抱えている。「飲食業で本当に働き方改革なんてできるの?」そう思う読者は少なくないだろう。全店舗が完全個室、接待利用も多いこの業界で、あえて日曜定休という常識破りに踏み切った理由は何だったのか。答えは、経営理論の中にはなく、中嶋氏自身の身体の中にあった。

ABOUT THE COMPANY

株式会社WORLDs(滋賀県草津市)は、近江牛焼肉百々一・近江牛中る・京都つゆしゃぶCHIRIRI草津店の3店舗を展開する日本料理企業。すべて完全個室で、接待利用を中心に地域に根差した店づくりを続けている。

きっかけは、拍子抜けするほど軽かった

健康経営優良法人の認定取得は、地元・草津で先に取り組んでいた先輩経営者、株式会社アダムスセキュリティ・澤井敬輔氏からの一言がきっかけだったという。

「ブライト500を目指してみては、と言われて。もうとってみますわ、くらいの感覚でした」

当初の動機は、拍子抜けするほど軽い。従業員のためというより、採用面で少しでも有利に働けばいいな、という程度だったと中嶋氏は振り返る。

「それを機に、従業員のために何かを大きく変えたというわけではなかったんです」

だが取り組みを進めるうちに、認定制度そのものの限界にも気づいたという。健康経営優良法人の評価項目に、飲食業ならではの働き方の難しさを完全に反映させることは難しい。「項目を全部クリアしようとしたら、正直、会社として成り立たなくなる部分もある」。この感覚は、同じく認定を受けた澤井氏も口にしていたことだった。それでも、制度をきっかけに社内に向き合う機会が生まれたことは、中嶋氏にとって想定以上の収穫になった。

体調を崩した経験が、すべての原点だった

軽い気持ちで始まった取り組みが、やがて本気になっていく背景には、中嶋氏自身の経験があった。20代、がむしゃらに働き続けた結果、一時は体調を大きく崩したという。

「誰にも、同じ経験をさせたくない。そう思ったのが正直なところです」

自分の身体を犠牲にしてまで働くことが、果たして正しいのか。その問いが、健康経営という取り組みを「制度への対応」から「経営者としての責任」へと押し上げていった。

「健康を失って初めて、バランスを取ることの大切さに気づいた。だからこそ、従業員には同じ思いをしてほしくない」

この経験は、後に語る「日曜定休」や「ジム費用補助」といった具体策の根っこにある発想でもある。

日曜定休という「業界の非常識」

WORLDsが取り組む施策の中でも象徴的なのが、飲食業界ではまだ珍しい全店舗日曜定休だ。完全個室・接待利用中心という業態を考えれば、この決断は決して小さなものではない。

「実際、売上への影響はありました。集客への影響を含めると、1割程度は落ちていると思います」

それでも中嶋氏は、この決断を後悔していない。日曜に多かった顔合わせ需要は、次第にホテル利用へとシフトしていった。中嶋氏によれば、顧客の多くは好意的に受け止めてくれ、応援の声も少なくなかったという。一方で、休みが安定したことにより従業員の定着率も上がったといい、中嶋氏はこれも日曜定休がもたらした収穫の一つに数える。

さらに、ハラスメント的な言動をする社員への対応を明確にしたことも、働きやすい環境づくりの一環だったと中嶋氏は語る。「それも、広い意味では健康経営の一つだったのかもしれません」。

ジム費用補助と、現場に起きた変化

健康経営の具体策として、スポーツジムの費用補助を導入している。運用コストは年間約50万円。決して小さな額ではないが、「僕自身が経費をほとんど使わないので、そのくらいは還元してもいいと思った」と中嶋氏は笑う。

今年からは、スーパー銭湯の利用補助も新たに始めた。どの店舗を利用しても、レシートを提出すれば1,000円が支給される仕組みだ。すでに従業員の9割ほどが活用しているという。

「体を伸ばして、湯船に浸かってほしい。そういう狙いです」

制度の効果は、数字だけでなく現場の変化にも表れている。ある繁忙期には、全員が体調を崩さず乗り切れたこともあったという。

「誰か一人倒れたら終わり、という感覚だったのが、結果的に誰も体調を崩さなかった。あれは大きかったですね」

社内では、ストレッチやパーソナルトレーニングの重要性も自然と語られるようになった。中嶋氏自身もトレーニングに通うようになり、体調管理への意識は経営陣から現場へと広がりつつある。

そして中嶋氏が繰り返し口にしたのが、従業員同士のコミュニケーションの変化だった。休みが日曜日で揃うようになったことで、従業員同士が自然と一緒に出かけるようになったという。

「明日みんなで行こうか、みたいな会話が普通に生まれるようになりました」

ジムやスーパー銭湯も、いわば「健康」を入り口にした交流の場になっている。

「制度をきっかけに、コミュニケーションの機会がかなり増えました。3店舗が近い距離にあるので、店をまたいだ連携もしやすくなったのは、想定していなかった収穫でしたね」

「健康経営を取ることが目的じゃない」

取材の終盤、中嶋氏はこれまでの取り組みを振り返りながら、経営そのものへの考え方の変化について語ってくれた。

「何のために経営するんですか、と聞かれて、売上を伸ばすことが経営だと思っています、と答えたことがあったんです。でも、それは違うなと」

その問いをきっかけに、中嶋氏の中で経営の軸足は少しずつ移っていった。「誰かの役に立つこと」を経営の中心に据えるようになったという。

「健康経営優良法人を取ることが目的じゃないんです。みんなが健康になれば、結果として業績にもつながっていく。それだけの話だと思っています」

満身創痍だった経営者を、遠回りの末にここまで導いてきたのは、結局のところシンプルな一つの思いだった。

「誰にも、同じ経験をさせたくない」

まとめ

WORLDsの健康経営は、「立派な理念が先にあった」という物語ではなく、拍子抜けするほど軽いきっかけから始まり、代表自身の体調不良という原点を経て、日曜定休・ジム費用補助・スーパー銭湯補助へと形になっていった。数字の裏にあるのは、従業員同士のコミュニケーションが増えたという、想定していなかった収穫だ。健康経営優良法人という制度そのものよりも、「誰にも同じ経験をさせたくない」という一人の経営者の思いが、飲食業の働き方に静かな変化を起こしている。

会社概要

滋賀県草津市で近江牛焼肉百々一・近江牛中る・京都つゆしゃぶCHIRIRI草津店の3店舗を展開する株式会社WORLDs。すべて完全個室で、接待利用を中心とした店づくりを続けながら、健康経営優良法人(中小規模法人部門)を2024年度から連続で取得している。

社名 株式会社WORLDs
代表者 代表取締役 中嶋 祐樹
本社所在地 〒525-0032 滋賀県草津市大路1丁目7-1
設立 2016年7月
資本金 700万円
事業内容 近江牛焼肉百々一・近江牛中る・京都つゆしゃぶCHIRIRI草津店の運営
主な取り組み 健康経営優良法人認定(中小規模法人部門・2024年度〜連続取得)/全店舗日曜定休/ジム費用補助・スーパー銭湯補助
公式サイト https://www.worlds-recruit.com
一覧に戻る